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2010_08
30
(Mon)23:58

直己⑤…別れ

『どうぞ。お座り下さい。』

同い年でいつも冗談を言ってはメグを笑わせてくれる直己。
その直己が緊張し、こわばった顔で応接セットの椅子に腰かけた。

『浜田です。』と名刺を差し出す。

非難され責められるであろう家に堂々と出向いてくれた直己を男らしいとメグは思った。

母が根掘り葉掘り直己の勤め先のことや家族状況を聞く。
そのやりとりを父は無言で腕を組んで聞いている。

『どついたる!』と言っていた兄は何故か直己に好意的である。

母も思っていたより好青年の直己を見て少し拍子抜けしたみたいだ。
話が底をついたところで父がはじめて口を開いた。

『で?おまえ(メグ)はどうするんや?』
『…………。』

『………か…一哉さんと…』

『一哉さんと結婚するんやな?』

『この人とは別れるんやな!?』

コクリと頷くメグ。

実は直己が来る前、すでに家族みんなから直己と別れるように諭されていたのだ。

『そういうことなので、お引き取り願えますか?』

がっくり肩を落として家を出て行く直己を兄が駐車場まで見送った。

『アイツ(直己)のほうが好きやな。』

帰ってきた兄がポツリと漏らした。


一哉と結婚する意思を示したメグだが、そう簡単に直己のことが忘れられずその後も一哉と結婚するまで何度もくっついたり別れたりを繰り返した。

一流大学出で大会社のエリートの一哉。
不言実行。クールで仕事が出来て人望も厚い。
そんな一哉を尊敬し、憧れて好きになったメグ。

直己とは話がはずみ楽しくて一緒にいて癒されるけれど、二流の証券会社に入社したばかりで歳も若い。

結婚相手としては一哉。
恋人としては直己。
そんな風に男二人を天秤にかけていたのかもしれない。

結婚すると言いながら、式の日取りなどのらりくらりと話をはぐらかす一哉。
痺れを切らし、ある時喧嘩をしたはずみにとうとう一哉に直己の存在をぶちまけた。

『なにいっ!?』

穏やかな一哉が血相を変えて怒鳴った。

『別れろ!!!!』

悲しそうな目でメグを見ると急に強く抱きよせた。

『もう明日にでも式を挙げよう……』

一哉の母(現姑)がメグとの結婚に難を示し式の日取りを決めかねていたらしい。

冷静な一哉が取り乱して慌てたことにメグへの愛情を感じた。
そして強く抱きしめられた時、ぐらついていた気持ちが固まった。


(今度こそちゃんと直己と別れよう。)

最後の別れを告げた時。
直己の目にうっすらと光るものが溢れた。

胸が締め付けられるように痛い。

メグは背を向け走り出す。

振りかえらないように。



決心が揺らがないように。


おわり


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C.O.M.M.E.N.T

puriさん。

やはり結婚となると打算が働いて、たよりがいのある一哉を選びました。
しかもこのあとすぐ結婚して大阪を離れたのですー。

2010/08/31 (Tue) 18:29 | メグ #- | URL | 編集 | 返信

わ~

メグさんも直巳さんも辛かったでしょうね・・・。結婚と恋愛って違うのよね・・・(T_T)

2010/08/31 (Tue) 14:30 | puri #- | URL | 編集 | 返信

ペロ先生。

どこにでもある話におつきあい下さりありがとうございます。
ひとりひとりの人生の数だけドラマがあると思います。

さて、次は現在にワープして直己とメグの再会です。
リアルですが【妄想】ですのでお間違いなくー。^^
昼ごろUPします。

2010/08/31 (Tue) 09:46 | メグ #- | URL | 編集 | 返信

禁断の果実

hiroさま。
全くの偶然なのですが、直己とハルの誕生日が1日違いなのです。
性格が良く似ています。
まるであの時の恋の続きをしているようです。

2010/08/31 (Tue) 09:35 | メグ #- | URL | 編集 | 返信

ドラマだ…

だんだんと社会派だ…

2010/08/31 (Tue) 08:39 | ペロ #M3H1qjsU | URL | 編集 | 返信

揺れる女心

キチッと決着をつけたところがエライ!!
ご家族にも、直己さんにも、そして一哉さんにも。

でも、今は、、、禁断の果実を、、、ひそかに、、、。

2010/08/31 (Tue) 08:36 | hiro #2BdQTLN2 | URL | 編集 | 返信

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